サノレックスの副作用と効果

サノレックスって何?

サノレックスは食欲抑制効果のある医薬品となります。1967年にアメリカのサンドファーマ社で開発された、医療用ダイエット薬です。

 

1973年のアメリカ発売以来、ヨーロッパはじめ世界の各国で肥満治療に用いられてきました。日本国内では1977年に試験が始まり、1992年に発売されました。食欲抑制薬としては、日本国内初の厚生労働省に承認された医薬品です。

 

サノレックスを使用し、肥満の治療をする理由は、ダイエットに必要不可欠な運動療法や、食事療法を行いやすくするためです。病院で行う肥満治療や、ダイエットのプログラムでは、主として食生活改善が行われています。何も考えず、突然摂取する食事量を減らし、空腹のがまんを強制したりすれば、体が慣れる前に脱落したり、リバウンドで過食してしまい、かえって肥満の症状が進行してしまうこともあります。

 

そこでサノレックスを使い、食欲を強制的に抑制することにより、ダイエットにつなげようというわけです。

 

サノレックスの副作用のメインは「依存性の高さ」


↑は覚せい剤中毒患者の写真です。

 

覚せい剤は別名「アンフェタミン」と呼ばれ、アドレナリンやドーパミンなどの脳内物質の再取り込み抑制を起こし、その結果覚醒作用、食欲抑制作用などさまざまな効力を発揮します。

 

そのため、薬物中毒患者は何も食べなくても平気になり、画像のようにゲッソリと痩せてしまうのです。しかも、耐性がつきやすく、どんどん服用量が増えていくため、依存性が高まって以前の量では物足りなくなっていきます。

 

実は、このアンフェタミンの効力はサノレックスと非常に似ているのです。

 

サノレックスの効果も脳内物質の再取り込み抑制からきており、覚醒作用・食欲抑制効果などをもたらします。

 

もちろん、アンフェタミンに比べてサノレックスの効力は弱く、正しい用量を守っていれば副作用はコントロールできます。しかし、「痩せたい!」と強く願っている人が、用量をしっかりと守れるとは限りません。そのため、ついつい服用量を増やしてしまい、使用中は不眠に悩まされたり、服用をやめたら一気にリバウンドして、おまけにうつ症状が現れたなんて例もあるのです。

 

もともと、サノレックスはBMI35以上の「肥満2度」という重度の肥満の患者にしか保険適用されないことになっています。重度の肥満の人が、とりあえず体重を落とす手段としてサノレックスを使用するのは間違ってはいません。医師と相談しつつ、体重を落としていく手段として処方されるでしょう。

 

しかし、「ちょっと二の腕のたるみをなくしたい」程度の悩みでサノレックスを求めても、保険適用されないので、月に15,000円程度の費用がかかります。月に15,000円かけるのであれば、もっと安く、安全なダイエット手法はいくらでもあります。

 

もし使用するにしても、継続して服用する期間は1~2か月、最長で3か月程度にとどめておきましょう。それ以上の期間、継続服用を行いたい方は、半年程度、休薬期間をもうけてから服用を再開するようにしましょう。

 

不眠症関連の副作用について

サノレックスの覚醒作用があることはすでに説明した通りですが、それが原因で「寝付けなくなる」「眠気がなくなる」「夜中に目が覚める」といった不眠症の副作用が出る場合があります。

 

どうして不眠症になってしまうかというと、先ほど説明した依存性が深く関わっています。

 

サノレックスには覚醒作用がありますが、眠れなくなるほどの作用を発現するにはそれなりの量を服用する必要があります。したがって、飲み始めのころは覚醒作用が出る前に食欲抑制作用が発現するため、不眠症の症状はそれほど出ません。

 

しかし、「なかなか痩せない」とか「もっと早く痩せたい」という気持ちが勝ってしまうと、自己判断で服用量を増やしたり、飲む頻度を多くしたりして、決められた用量より多く飲むようになる傾向があります。その結果依存性が高まってしまい、初めのころよりも多くのサノレックスを飲まないと効き目を感じなくなるのです。

 

飲む量が増えると、当然覚醒作用も強くなってくるため、寝つけないとか、中途覚醒してしまうといった状況になるのです。

 

睡眠薬を飲むとリスクが増える

サノレックスの覚醒作用によって眠れなくなると、今度は「睡眠薬を飲んで睡眠障害を治したい」と思いはじめるはずです。睡眠薬はサノレックスの併用注意ではないので、併用すること自体は問題ないのですが、多くの睡眠薬には依存性・耐性形成があります。

 

ただでさえサノレックスの依存性リスクがあるのに、そこに睡眠薬の依存性リスクが増えることになります。そうなると、断薬時の苦しみも2倍、3倍と膨らんでいくわけです。そういった意味で、サノレックスの覚醒作用にはさまざまなデメリットがあるのです。

 

その他の副作用

その他の副作用について解説していきます。

 

精神系の副作用

  1. 口渇
  2. 神経過敏
  3. 抑うつ
  4. 幻覚
  5. 不安
  6. 痙攣
  7. 頭痛
  8. 倦怠感
  9. めまい、耳鳴り
  10. イライラ

 

サノレックスは精神系の副作用の種類が多いのが特徴で、特に多いのが口の中が異常に渇く「口渇感」です。およそ5%以上の人に口の渇きが見られ、喉が渇きを訴える人もいます。また、口の中が渇くことにより、口内の雑菌が増え、ひどい口臭を出すといったケースも見られます。

 

また、抑うつや幻覚、不安などの精神疾患的な副作用が出るケースもあります。さらに、出て何もやる気がおきない、いらいらするなどの感情的な変化や、倦怠感によるふらつき、転倒によるケガなどの事態もあります。

 

体質によっては精神が不安定になったり、効果が強く出過ぎて拒食症になる、あるいは薬をやめたら逆に食欲が出過ぎてリバウンドし、元の体重よりもはるかに重くなる、というケースもあるようです。

 

消火器系の副作用

  1. 口渇
  2. 便秘
  3. 悪心
  4. 嘔吐・吐き気
  5. 胃痛
  6. 腹痛
  7. 下痢

 

消火器系の副作用もいくつか確認されていて、中でも多いのが便秘(出現率5%以上)です。副作用の中に「下痢」があることからもわかる通り、どちらの症状が出るかについては個人差がありますが、いずれにせよ何らかの腸内環境の変化が起きてしまい、便の頻度が変化してしまう可能性があります。

 

さらに、嘔吐や吐き気、胃痛といった胃に関する症状、さらには腹痛といった腸に関する症状も低確率ながらも発現確率があります。

 

循環器系の副作用

  1. 胸が痛い
  2. 狭心症
  3. 心筋梗塞
  4. 不整脈
  5. 心不全
  6. 顔面紅潮

 

サノレックスを飲むことによって、循環器、とくに心臓周りの症状も見られます。一番多いのが胸の痛みで、頻脈となり心臓への負担が多くなることによって痛みが出たりします。また、低確率ではありますが心筋梗塞、不整脈、狭心症といった心臓疾患の可能性もあります。

 

その他の副作用

  1. かゆみ
  2. 発疹
  3. 頻尿
  4. 口の中が苦い
  5. 性欲減退
  6. 寒気

 

ここまでに取り上げたサノレックスの副作用以外にも、発疹が出て体がかゆい、頻尿になる、性欲がなくなる等の副作用があります。また、暑くもないのに発汗してしまうことにより、寒気が生じることがあるようです。

 

サノレックスの効果って?

サノレックスは、脳の視床下部の満腹中枢に直接作用し、食欲を抑制します。食欲がなくなれば、過食しなくなるため、摂取カロリーが少なく抑えられ、体重減につながるわけです。

 

ただ、サノレックスの効果は「食欲抑制」なので、飲んだだけですぐに痩せるという「痩せ薬」や「ダイエット薬」という風に考えるのは正しくないでしょう。あくまでも、食欲がなくなることにより、食べなくなるために痩せるというわけであって、「食べないようにする」努力は必要となります。

 

サノレックスの使用により、食事を減らしても満足感が得られるよう、肥満治療を継続することができるよう、生活の改善をおこないます。サノレックスを使用するだけでなく、サノレックスに合わせて食事や運動を改善していくことがもっとも重要です。

 

サノレックスの効果は確かですが、副作用や依存のリスクがありますので、適切な服薬継続期間の1~2ヶ月は必ず守って使用しましょう。